湯川豊
Yutaka YUKAWA
教授
小説、文芸批評
1964年、慶応義塾大学文学部を卒業、文藝春秋社に入社。文藝春秋ではさまざまな雑誌の編集にたずさわったが、編集生活の後半は主として文芸を担当した。2003年に退社、同年、東海大学文学部文芸創作学科の教授を経て、現職。現在は毎日新聞「今週の本棚」の書評委員をつとめているが、書評こそ文芸批評の原点だと考えている。
「何を、なぜ学ぶのか」
「クリエイティブ・ライティングコースというと、作家を育てるのですか?」
日本語に訳すと「創作科」とか「文芸創作科」となるせいで、よくそういう質問を受ける。それに対する答えは、なかなか難しい。答えはない、といったほうがいいかもしれない。それよりも、ここで学生が何を学ぶのかを具体的に考えていったほうが話が明解になるだろう。

言語によって表現する、その表現力を専門的に学び、できればそれを身につける。それがクリエイティブ・ライティングコースである。言葉による表現力は、小説やノンフィクション、あるいは詩などを書くときに役に立つだけではない。現在のような高度情報化社会においては、ふつうの文章を書くこともふくむ言語表現力はどんな場所でも要求される必須の能力なのである。

それを身につけるには、古今東西の言語表現すなわち文芸を専門的に学び、理解を深めてゆくしかない。ただし、その結果として、作家や詩人がたまたま出現することになるとしたら、喜ばしい余禄というべきであろう。

終わりのない旅 星野道夫インタヴュー ―原野に生命の川が流れる
2006.8/スイッチパブリッシング/1,575円
夜明けの森、夕暮れの谷
2005.7/マガジンハウス/1,680円